王様の耳は

ロバの耳

 床屋の少年は、ある日王様の散髪をたのまれて、お城に出かけていきました。
 だけど王様は、「髪を切ってくれ」というくせに、帽子を取ろうとしないのです。
 帽子をかぶったまま髪を切るなんてできません。
 少年の説得で、ようやく帽子を取る王様ですが、その中にはなんと、ロバの耳が……。
 「今見たことを絶対いってはならん。もしも誰かにしゃべったら、死刑じゃ!」
 さあ、たいへん。
 だってあんまりおもしろくって、いいたくていいたくてしかたがない少年なのです。
 そこで、森のはずれの大きな木の穴に、大きな声で思いっきり、「王様の耳は、ロバのみみーっ!!」と、毎日いいに行きました。
 だけどだけど、ある日その木が大きな声で、「王様の耳は、ロバのみみーっ!!」と、言い出してしまったのです。


 約束はしたけれど、やっぱりちょっとしゃべりたい。
 誰も知らないおかしな秘密……。
 誰にもしゃべらない木の穴に、こっそり、だけど思いっきりいってしまったら、それが思わぬ大騒動に。
 だけど、隠し通せるものじゃない。
 それに、そんなに恥ずかしいことなんかじゃない。
 それがわかった王様は、かえって少年に感謝することになります。
 失敗やあやまちをひとりで隠し通そうとするより、だれかにちょっと話すことで、解決に近づくことだってありますよね。
 王様は、なぜ、ロバの耳になってしまったのか、もとの耳に戻ることができるのか、それもまた、見てのお楽しみです。


 上演時間  30分