
泥棒一味が、ひとり暮らしのおばあさんの馬をねらっています。
物陰に隠れ、じっと様子をうかがっていると、おばあさんの話す声が聞こえてきました。
『泥棒はこわい。オオカミもこわい。だけど、一番こわいのは、なんといっても“ふるやのもり”だが』
ふるやのもりって、どんなヤツだろう?
泥棒よりもオオカミよりもこわいという。
みんな、ビクビクしはじめた。
そこへいよいよ“ふるやのもり”がやってきて、さあ、大騒動の大騒ぎ!
“ふるやのもり”とは、古い家の雨漏りのことです。
どうして雨漏りが、そんなにこわいというのでしょう?
昔の民家は、かやぶきの屋根でした。この、かやぶき屋根は傷むので、何年かに一度、葺き替えなければなりません。
葺き替えには、村中の若者が参加することになっています。
だけど、子どものいない家は、参加することができないので、屋根を葺き替えることができないのです。
腐った萱からの雨漏りは、ポタポタ、ボトボト、なんてものではありません。
真っ黒な泥水が、ザンザンと降るのです。
畳も布団もどろどろにしてしまうほどなのです。
一晩中降り続けば、眠ることもできないし、それはもう、大変なことでした。
そんなむかしの暮らしをほんのちょっと予備知識に持ってくださると、この物語の深い部分がよくわかっていただけると思います。
上演時間 30分
出演キャラクター
・菊丸 …… 泥棒
・五郎吉 …… 菊丸の弟分
・オオカミの与太 …… 山賊
・サルの弁天 …… 与太の子分
・虎の門虎蔵 …… 進行役
・つたばあさん